ジョン・C・ボーグル「波瀾の時代の幸福論」

☆推薦者;吉田喜貴(SIF-J事務局次長・個人投資家)

 インデックス投資家にはなじみ深い、バンガード・グループ創業者が説く、"Enough. True Measures of Money Bussiness, and Life"(この本の原題)。ボーグル氏の著書の日本語訳は、これまで4冊出版されていますが、私のお気に入りは古今東西の名言・名文を引用しながら、「足を知る」を説いたこの一冊です。

 今の社会は「思い描いた未来」と「やがて起きる現実」との溝を、「想定外」という言葉でしか埋められなくなってしまったような気がします。それは一体なぜか?

 数字やデータを論理的に積み上げることで、複雑なこの世界を単純化し、分かったつもりになる。こうした世界の捉え方に限界がきているのでしょう。 ボーグル氏はこう指摘します。

現代では社会でも、経済学や金融業界でも、あまりに数字を信頼しすぎている。...私たちは過去の経済統計や市場データに頼りすぎているし、物事を楽観視する傾向があるためにデータに間違った解釈を与え、信じるに値しないデータに信憑性を与えてしまう。」P80

ビジネスの世界では、計算できるものを重視するあまり、信頼し、信頼されるということを大切にしなくなった。」P25

 この2つの指摘がそのまま、現在の経済的混乱につながるサブプライムローン問題の根幹と言えるでしょう。また、数字に頼りすぎていては、前回紹介の本川達雄「生物学的文明論」でも指摘のあったとおり、生物多様性における「かけがえのなさ」を計ることができません。

 しかし、今のかたちにいたるまでには、何百年もの歴史の積み上げがあります。17世紀半ばのデカルトにはじまる近代合理主義。19世紀初頭にはナポレオンが、国家運営に確率・統計を取り込むべく統計局を設置。というように。。。

 この世界をどう捉え直すか? 私自身はそのヒントが日本文化にあると考え、現在研究を進めています。これに関するオススメ図書は、これから徐々に紹介していきますが、まずはアメリカの金融業界からの警告に、ぜひ触れてみてください。

波瀾の時代の幸福論 マネー、ビジネス、人生の「足る」を知る 波瀾の時代の幸福論
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ジョン C ボーグル
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(更新日 2011年8月20日)

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